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2009年 11/5〜6千葉県のフクダ電子アリーナにて開催された「2009ジャパンターフショー」には、
多数ご来場いただきまして、ありがとうございました。
今回は、弊社が行ったプライベートセミナーより
「バロネスからの新提案」〜グリーンモアの特性を理解した管理手法〜編から、
バロネス製品にとどまらず総合的にグリーンモアについての見直しを行う事で改めて、
グリーン管理の参考にして頂ければと考えます。
※各画像をクリックするとPDFデータが開きます。
歩行型グリーンモアのフレーム一体型タイプ構造の検証を行います。
刈高変化に影響を与える要因は、次の6つあります。
今回は、その中より3つ報告致します。
一つ目として、ハンドル操作による影響としては、
ハンドルを押さえて作業した時とハンドルを持ち上げて作業をした場合がありますが、
ハンドルを持ち上げて作業をした方が、
前ローラーの荷重が大きくなり、沈み込み量も大きくなり、刈高変化も大きくなることで刈高が低くなります。
視点を変えた二つ目として、刈り込み幅による影響をみますと
総重量の大きい26インチモア(LM66)より22インチモア(LM56)の方が接地圧が高いので、
沈みこみ量が大きくなり、実際には総重量が軽い22インチモア(LM56)の方が低く刈れる事となります。
刈取量の変化については、表の通りとなります。
1u当たりの刈取量は、22インチモア(LM56)の方が多い事が解ります。
つまり、一つのコースでのグリーンの形状等の制約の為、
22インチと26インチを同時に使用する場合はこの事をよく理解して刈高を設定する必要があると思います。
三つめとして、刈高セットによる影響を考えます。
通常は移動車輪を装着した状態で、
付属の刈高ゲージを使い刈高をセットします。ここでは、4oにセットします。
その後、実際の刈込時に近い状態での刈高を測定する為、
移動車輪を外し刈高調整用台にドラムを載せて刈高を測定します。
その結果は、右は3.81o、左は3.86oとなりました。
これは、ドラム接地面がベアリング等のクリアランスにより、持ち上げられた結果として
実際の刈高はセット刈高より低くなります。
刈高セットにおけるご提案として、移動車輪装着状態とドラム接地状態(刈高調整台使用)では、
セット刈高が0.1〜0.2oの差が生じます。
刈高セットは、刈高調整用台等を使用しドラム接地状態での調整をお勧め致します。
次に、モア構造とアンジュレーションとの関係については3つあります。
一つ目は、前後方向のアンジュレーションです。
前ローラーとドラムの距離が短いグルーマー無しの方が、
前後方向のアンジュレーションにおいては優位となります。
二つ目は、横方向のアンジュレーション(刈高と刈幅)です。
凸形状では、浮き高さについて検証いたします。
浮き高さとは、刈込が行えない高さのことです。
凹形状では、実際刈込をした時にベットナイフの先が当たる時(カジリ現象)が起きるRの大きさを表します。
いずれの場合も、刈幅が狭いほどアンジュレーションに追従する事が解ります。
刈幅が非常に影響する事が解ります。(表の数値は刈高4oセット時)
そこで、バロネスは18インチモア(LM18G)を来年販売を開始いたします。乞うご期待下さい。
次に、クリップピッチ(カット率、クリップレート、カットピッチ、クリップ等様々な呼び方)は、
図のように進行方向に対して、赤い刃から次の緑の刃に当たる間に進む距離を言います。
弊社では、最新機種LM56GAシリーズについては、ハイロー切替が標準装備となって販売しております。
ハイクリップ1,818rpmについては、エンジン回転3,000rpm時に9枚刃で4.9oのクリップピッチとなります。
また、ロークリップ1,143rpm゚については、エンジン回転3,000rpm時に9枚刃で7.8oのクリップピッチとなります。
実際の芝生をプリズムゲージを用いて、表面形状を比較し刈り芝を見ると・・・
クリップピッチの違いによる刈込量比較としては、刈高4oで刈込量が2.5oの場合は、図の通りです。
2.5o伸びた芝を刈込した作図ですが、
クリップピッチ7.8oの4山である31.2oの長さに対しての断面積を計算しております。
その場合、78mm2
となります。
同じように、クリップピッチ4.9oで2.5o伸びた芝生を刈込すると長さ31.2oで、
断面積が88.7mm2
となり、刈込量比較をすると14%の刈り芝が増える計算になります。
刈込量が1oの場合との比較は、図のようになります。
刈込量が少ない時の方がクリップピッチを変える事で差が大きく出てきます。
クリップピッチを小さくする事のデメリットは・・・
デメリットの対策として
ワンタッチ ハイ/ロー切換機構が標準装備されています。
ベットナイフの位置関係としては、スタンダードとベットナイフオフセット及びベットナイフ台オフセットがあります。
オフセット量を同じにした場合においても
違いは顕著に表れます。図のように、同じ刈高でも刈取量はこのように違いがでます。
また、その他に目砂の拾い上げ、芝生へのストレス、刃当たり、直進性も微妙に変化してきます。
これらの事から、グリーンモアの特性を理解して様々な芝生の状況にあわせセッティングが必要となります。
均一なグリーンコンディション作りのための一助となるよう研究を続けていきます。
すべてはお客様のために。
‥‥私達の想いはそこにあります。
(株式会社 共栄社 営業部 蔵地) |