世界のちょっと変わった芝草刈り機を紹介するこのコーナー。
今回の「世界おもしろ草刈り機」はドイツからのご紹介です。
ご紹介する会社の名前は「クローネ(Krone)社」といいます。
https://gruppe.krone.de/english
ドイツの西北にあるシュペレという町に同社の本社工場はあります。
創業は1906年、大変歴史のある会社です。(共栄社も同時期の1910年創業)
代々創業家であるクローネ家が経営の舵取りを行い(これも共栄社と同じ)、欧州、
北南米大陸で成功を掴み、着実に成長してきました。
主な事業は、ハーベスターと言われる農業用の作業機の製造生産です。
草刈り機の他にも、刈った草を予乾のため反転・拡散するテッダー、拡散した草をかき
集めるレーキ、集めた草を束ねるロールベーラー、そして収穫機などそのラインナップは
豊富です。
そして、これらの機械の需要はほとんどが海外の広大な農場になります。
ですから、とにかく、日本人の我々から見るとそのサイズは巨大です。
今回は、「草刈り機」という視点で取材させていただいたのですが、一番大きな機械で
その刈幅はなんと“13.2メートル”です。
まさに、動く「山」。
ちなみに、使用目的は違いますが、共栄社で一番刈幅が大きい機械でも最大で3.2メー
トル(乗用5連リールモア)です。
我々は、普通、刃物のユニット数をベースに、3連モアとか5連モアと呼んでいますが、
このルールに従ってクローネ社の草刈り機を呼ぶと、なんと“27連モア”となります。
採用されている刃物の形態はディスクモアと呼ばれるもので、様々な形態がありますが、
お皿のような回転刃が高速で回転し、効率的に一気に多くの草を刈るときに使われます。
つまり大きな農場で高速で一気に草刈りを行うのに適しています。
そしてその効率を最大限に発揮するため、エンジン及び車体はこのように大きく
なります。
ちなみに、この草刈り機「Big M」シリーズで一番大きいエンジンは、6気筒
382 KW/520 hpとなります。
製品脇に写る方は、今回ご案内いただいた輸出部門の責任者であるシュッテ部長。
それにしてもこの大きさと迫力です。運転席の見晴らしもよさそうです。
シュッテ部長には工場内もご案内いただきました。
さすがドイツ!工場内は整理、合理化され、とてもキレイです。一番の驚きは、こんな
大きな製品なのに塗装工程にはたった2人しか配属されていないということ。
作業のオートメーション~ロボット化が進んでいるようです。
組立ラインも見学しました。大型の草刈り機が粛々と組み立てられています。
工具や設備も全て大型です。
そもそも工場自体も広大で、屋上に上がって28mmの広角レンズで撮影しても工場全景
を写すことはできませんでした。
「従業員はトレーラー部門も含めて約5000人、特に技術開発には最大の投資を行って
いる。」と、シュッテ部長は力を込めて説明してくれました。
さて、このクローネ社の製品、実は日本にも輸入されています。
日本でこれほど大きな農機が活躍できる場所と言えば・・・?
そうです、北海道で同社製品は活躍しています。
インポーターのGSP株式会社(http://www.gspcorp.co.jp)通じて、これまで実に
約3000台以上のクローネ社製品が輸入され、多くの大規模農家より高い製品評価を
いただいているそうです。
ちなみに今回ご紹介の草刈り機「Big M」シリーズも200台以上は輸入されている。
とのこと。
興味のある方はお尋ねになるといいでしょう。
同じ草刈り機を製造生産する会社でも、共栄社とは製品コンセプトも市場も違う同社
ですが、顧客満足度を高めるために品質にこだわり、世界中のマーケットに挑戦し続ける
企業姿勢は同じです。
なんだか仲間を見つけたみたいで、心強くなったクローネ社の訪問でした。
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