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      バロネス Eメールマガジン Vol.2
 
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   バロネスメルマガ第2弾をお送りします。

   朝夕すっかり秋らしくなりました。
   富士山には初冠雪の便りも・・・

   
11月16日(水)17日(木)には
   恒例の幕張メッセでの展示会も開催されます。
   現在、展示会用のビデオ作製・カタログ作り等で悪戦苦闘中です。
    
   展示会に先立ち、購読の皆様だけを対象に
展示予定の新製品情報を簡単にご紹介致します。
 

<新製品情報>

 ◎LM282(軽量5連モア)

   超軽量!  作業時質量たったの 833kg
   某社の3連モアの質量と同等!
   雨の中でも刈り込みOK!
   軽量でもちゃんと刈れます。
   しかも、 刈り幅 282cm
   お値段も リーズナブル!




 ◎TDA1600(ディープエアレーター)

   もう少し更新作業が速くできたら・・・ 
   そんな悩みを解決する為開発したのが
   「TDA1600」です。
   従来好評のTDA1200の深くても
   まっすぐ穴が空けられる機能は残しました。

   (やっぱりコアを抜く場合って
         まっすぐ穴が空いた方がいいですよねっ!)

    作業速は 約50% 増
    作業幅は 約30% 増
    従ってTDA1200に比べ作業効率は 約2倍 を実現。



 これなら、さらにもう一回・・
     更新作業が可能です。
 

  実車、値段等は展示会場にて!! 

     その他、バロネス精鋭の製品が盛り沢山。
     皆様のお越しをお待ちしてます。
 
                        お知らせでした。

  
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 ★☆ 今回のメニュー ☆★

 【1】キーパーのひとり言(鹿島南蓼科ゴルフコース 岩崎明也 氏)

 【2】トーナメント後記

   9/1〜4 フジサンケイクラシック
       (スーパーアドバイザー 熊倉興和 氏)

   9/8〜11 サントリーオープンゴルフトーナメント
       (総武カントリークラブ総武コース
         潟Oリーンセクション 伊藤昭一 氏) 

 【3】開発情報

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【1】キーパーのひとり言

 今回は、「鹿島南蓼科ゴルフコース 岩崎明也氏」のひとり言です。
 みなさん、グリーン刈りには色々と工夫をされているみたいですね。


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 ---キーパーのひとり言---

 LM66GFを使用してみました

  グリーンモアの更新を考えており、バロネスLM66GFのテストを行い
 ましたので、その状況を報告します。

  着任時にLM65GCFを11枚刃・HCギヤに変更。現在、前ローラーにブラシを
 装着できるよう改造し、使用中。芝の状態によりグルーマーをブラシに
 変えたりしている。(前ローラーにブラシを装着したのは朝露対策だけで
 なく、芝をクリアに刈る事ができる為、明らかに芝粕の量も増え、ゼブラ
 ラインがしっかり出るようになる。)

     
      当コースで使用しているLM65GCFの改良機

  他社製品のテストもこのグリーンモアの前に行いましたが、現在使用中
 のLM65GCFに総合的に上回る事はありませんでした。詳細は今回の主旨と
 異なるので割愛させて頂きます。

 ○テスト1.<スタンダード>

  グリーンの仕上がりを考えた場合、22インチ選択が妥当ではあるが
 当コースの場合、グリーンが比較的広い割にアンジュレーションがきつく
 ない事もあり、スタンダードである LM66GF11枚刃(下刃1.5mm)セット
 刈高4mmグルーマー地上高0mm でテストを行いました。

  前ブラシの効果は絶大か?残念ながら改造LM65GCFの刈り上がりまで
 には到りませんでした。状況では、芝面上をすべるように刈り込んでいる
 為か、芝粕は細かいが明らかに芝の量は少ない。

  現在LM66GFを使用している知人のキーパーによると、3kg程度重い前
 ローラーを作り使用中で、変えてからは満足できる刈上がりとの事。

  自慢ではなくキーパーとして当然と考えているが、グリーンに関しては
 それなりに作り上げてきたと自負しており、この程度の刈上がりでは購入
 する動機が見当たらない。

  それ故、前ローラーの重い物でテストしたい旨を共栄社に依頼すると、
 ターン時に重くなる弊害があるとの事で、接地面積を少なくして同様の
 効果を得られるように、前ローラーの溝を深く削ったローラーの対応を
 お願いする。

  ローラーを重くするのも、溝を削るのも、そのローラーの沈み込み分
 刈高を低くすれば同様の効果を得られるのかもしれないが、ここでは
 機械上のセット刈高にこだわる事にする。

 ○テスト2.<削ったローラーでグルーマーを未使用>
  LM66GF11枚刃(下刃1.5mm)セット刈高4mm

  当初、沈み込みだけの問題ならグルーマーを使用しなくても明らかな
 効果が出るのでは、と刈り込みを行うが、スタンダードでグルーマーを
 使用した場合とあまり違いがない。

細かい芝粕 削ったローラー


 ○テスト3.<削ったローラーでグルーマー(正回転)をかける>
  LM66GF11枚刃(下刃1.5mm)セット刈高4mmグルーマー地上高0mm

  削ったローラーだけではあまり効果を見出せなかったが、今回は芝の
 量・大きさが明らかに違う。今までこんなに刈残していたかと思うと愕然
 とする。沈み込みにより、明らかにグルーマーの効果が顕著のようだ。

 ○テスト4.<削ったローラーでグルーマー(逆回転)をかける>
  LM66GF11枚刃(下刃1.5mm)セット刈高4mmグルーマー地上高0mm

  今回投稿させて頂いたのはこの逆回転での刈り上がりである。
 今までそれなりにグリーンを仕上げていたと思い込んでいたが、まだ
 寝ている芝がそのままの状態で刈り込まれているのである。
 
  削ったローラーと相乗効果で地上高0mmであるはずだが明らかに少し
 芝に筋がはいっており、サッチング効果もあるではないか!当コース
 には今流行のミクニさんが輸入しているサッチャウェーも在るが、定期的
 にこの逆回転を使用した方が効果があるかもしれない。

筋の入ったグリーン 逆転で刈り込まれた芝

  芝管理は地域により異なる為、一律的な事は言えないがベントクロスに
 おいては明らかに有効ではないだろうか?

  今世間では新世代ベントグラスが多く採用され、この方法がそのまま
 有効とは思わないが、せっかく逆回転のついているグリーンモアを持って
 いるのなら、一考の価値はあるのではないだろうか?

  共栄社に聞くと、以前は逆回転のグルーマー(その当時はサッチングモア
 と称していたとの事)を販売していたが、今回、正逆にしたとの事。早々、
 現在使用しているLM65GCFも逆転タイプに変え使用する事にする。来期は
 LM66GFの購入を検討したい。共栄社に溝を削ってもらって・・・。


                鹿島南蓼科ゴルフコース 岩崎明也


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【2】トーナメント後記

 フジサンケイクラシック(9/1〜4)は丸山大輔プロが初優勝。
 そしてサントリーオープン(9/8〜11)は今野康晴プロが3年ぶり、
 ツアー5勝目をあげました。
 そのウラには、コースセッティングの色々な苦労があります。
 さて、それは・・・


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 フジサンケイクラシック 

 ---コース管理プロデュース、公式競技のコースセッティング---

   

   
   野芝のラフにベントのフェアウェイ
        芝生が枯れる秋から春が一番綺麗なゴルフ場

 <ベント化、一年の格闘>

  自然は生き物、その自然と共有しているのがゴルフ場であり、そして
 一番美しく映るのが休眠期の芝生である。日本の名門コースは借景と
 四季が美しい、秋から春の管理方法でそのゴルフ場のクォリティが決まる。
 シーズン中に自然に逆らって芝生を作っても必ず、しっぺ返しを受け、
 そして結果的に高いツケを払うことになると考えています。

  コース管理は「予測と対処」、失敗を如何に早くリカバリーできるかが
 結果となって現れてきます。

  
 <フェアウェイ、ティーのオーバーシード>

  今回の33rdフジサンケイクラシックはオーナー社長の「名門から
 超一流に」という熱い思いから、開催一年前に、フェアウェイ・
 ティーのベント化(草種転換)をすることになりました。オーバーシード
 によるフェアウェイのベント化は全国的に例が少なく、草種の選定は
 グリーン芝として普及率の高いニューベントグラスL-93を採用しました。
 L-93は地域別の試験、研究データが多く、面積の広いフェアウェイ
 導入種として適当と判断した。

  草種の選定や土壌には問題なかったが、草種転換のすべての工程が
 スムーズに進んだわけではない。草種転換の方法は、ベース芝の上から
 播種するオーバーシードを採用したため、ベース芝とL-93の競合と言う
 難題をクリアーしなければならなかった。

  播種前のフェアウェイは自生のノシバをはじめ、ケンタッキーブルー
 グラス、ペレニアルライグラス、トールフェスクそれに寒地型芝草の
 重要雑草、スズメノカタビラとメヒシバなどが混在していた。

  今回の草種転換を成功させるには、ベース芝である様々な混在した芝の
 育成を制御しつつ、新たに植えつけたL-93をトーナメントまでに成長
 させなければならない。

  オーバーシードで新しい草種を育てるためには、簡単に言うとベース芝
 の嫌がることをすればいいんです。例えば、ノシバは秋から春にかけて養分
 を貯蔵して休眠しています。ですから、その時期に、「バロネスグリーン
 スライサーTGS110A」で意図的に傷をつけ、春先に萌芽しないよう
 にするわけです。他にも物理的、化学的、生理的にあらゆる手段を使って
 ベース芝にストレスをタイミングよく与える作業を繰り返します。

  L-93などのニューベントグラスは成長点が低いため、低刈りに適して
 います。一方ノシバ、ライグラス、トールフェスクなどは低刈りには
 耐えられません。つまり極端な低刈りをすれば、L-93以外の芝草は衰退
 していくというわけです。

野芝ベースをベント化に機械的草種転換、野芝の休眠期に匍匐茎を破壊
ベントグリーンのサッチ軽減更新作業 スライサー バーチカル

【耕種的手法で土壌改善】

 <クォリティの高いニューベントグラス>

秋期の根茎 2004/8/28 春期のスライサー後の根茎
根の長さ 19-23cm 2005/5/5

  今回のグリーン改造で採用されたペンニューベントグラスA‐2は、
 メジャー大会で最近注目をあびている草種です。特徴はアップライト
 (直立型)で低刈りに耐えられること、芽数が従来ベントグラスの2〜3
 倍と多く、きめ細かいグリーンに仕上げることができることです。

  ただ、非常にデリケートな芝で初期生育が遅いという問題をもって
 います。日本で普及し始めたばかりの草種でもあり、適正な管理ができる
 グリーンキーパーはまだ少ないのが実状です。

  ペンA‐2だけでなく、1995年以降に販売されているニューベント
 グラスもペンクロスベントグラスに比べクォリティの高い分、初期生育が
 遅い。今まで、ベント芝を管理してきた人が、ペンA‐2を従来と同じ
 管理方法で育てると、問題が起きることになります。例えば、適正な時期
 より早く肥料をやってしまう。芝生にとっては食べたくない時に無理やり
 食べさせられることになりますから、当然品質は落ち込みます。
 ペンA‐2を育てるには、初期成育速度が遅いことを理解した上で、
 コース管理計画を立てなければなりません。

  また、ペンA‐2に限ったことではありませんが、肥えていない土
 (床土壌)でマニュアル通りに管理しても、いい芝生は育ちません。土壌
 の大切さは、どの芝にも言えることですが、ペンA‐2のような繊細な
 草種を育てる場合、特に注意する必要があります。

  土壌構造(土つくり)、播種方法、養生方法の違いで、後々、コース
 管理に大きな影響を与えます。 例えば、透水性だけ優先して、粒度の
 粗い床砂を採用した場合、芝の地際からサッチ層にかけて湿潤、サッチ層
 から根部にかけて透水性がよく乾燥やドライスポットが発生し、根が切れ
 芝生が溶け、不適切な潅水で藻や病害虫の発生原因をつくる。地域の気候
 風土を無視し、マニュアル通り、又は、耳学問だけで失敗する例は多い。 

  ニューベントグラス導入実績ゴルフ場で入手した特徴や評価、対処法など
 をまとめると以下のようになります。

 1.ペンA2の生育特性

 (1)メリット

  ・葉がきめ細く、芽数が多い。(ペンクロスベントグラスの2〜3倍)
  ・アップライトで低刈り適応性が高い。
  ・高速グリーンを芝本来の転がりで仕上げることができる。

 (2)デメリット

  ・ボールマークが消えにくい。
   (対処例:夏の潅水管理、ボールマーク修理用一本ホークでこまめ
    に直す)
  ・高刈りではマット化しやすい。
   (対処例:更新作業、エアレーションとバーチカル)

 (3)その他

  ・緑色が鮮やかで耐暑性が高い。

 2.病気に関する情報
  A2使用コースでの発生状況から予測される病害等は以下の通りです。

  ・4月中旬〜6月中旬 タンソ病
  ・7月上旬〜(高温時期) 黄色の斑点
  ・11月頃 ウィンターパッチ
  ・1〜2月 低温性ピシウム
  ・その他一般的な時期 フェアリーリング、ブラウンパッチ、
              ダラースポット、ピシウム病

2004/8/15 播種準備 2004/8 播種準備
2005/4 播種後7ヶ月 2005/9 播種後12ヶ月

                  スーパーアドバイザー 熊倉興和

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 ---サントリーオープン2005物語---

  

  本年度も千葉の総武カントリークラブ総武コースにてサントリー
 オープン2005が開催され、今野康晴プロが3年ぶりツァー優勝で幕を
 閉じた。

  開催時期は毎年9月の第2週と決まっており、今回で8回目の連続開催。
 本年は9月5日のマンデートーナメントを皮切りに6日の練習日、7日の
 プロアマチャリティー、8日から予選、11日の決勝となった。

 大会期間中のコースセッティングは下記の通り。

  グリーンは3.3o(刈り込みは朝夕1回ずつ)

  

  フェアウェイは13o
    (刈り込みは毎日グリーンからティーに向かい一方通行)

 

  セミラフは30o
    (刈り込みは毎日グリーンからティーに向かっての一方通行)
  ラフは100〜150o


  サントリーオープン2005は台風の影響がほとんどなく、大成功!
 その原動力となったのは、スタッフの結集力と時間との戦いに勝利した
 機械力しかない。

  使用機械にご尽力をいただいた関係各位には、この文面をお借りして
 お礼を述べたい。そして来年もよろしくお願いいたします。

 

  総武カントリークラブ総武コース 潟Oリーンセクション 伊藤昭一    

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 ここで耳より情報をひとつ。

  実は、某有名トーナメントコースさんからの依頼で共栄社が
  作製した逸品があります。トーナメントコースだけでなく
  色々面白い使い方があると思い、紹介させて頂きます。
  
 ◎ボールマークカッター

  落下の勢い等で出来たボールマークを簡単にカット!
  ナーセリーから新しい芝を抜き、入れ替え OK!
  ボールマークの無い綺麗なグリーンに戻せます。
  内径はボールよりやや小さめの26mm、32mmがあります。
  状態・場所・用途によって選択可能です。

   ボールマーク直しの達人「ボールマークカッター」

                      を是非一度お試し下さい。

  

           ご注文・問い合わせは各代理店さんにお願いします。

 又、このボールマークカッターのように
    こんなもん作ってよ。
    我がコースではこんな逸品作ったぞ!!  
              って事がありましたらどんどんご意見下さい。
 

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【3】開発情報 

  好評の乗用3連ロータリーモアGM1500、1600をお使いの方で
  能力はあるんだから、もう少し刈幅があれば効率がいいのにと
  いう声に答えて
   現在、乗用5連ロータリーモア(仮称GM2800)を開発中です。
    
   コンセプトは
     ・早く綺麗に刈れること
     ・登坂性能が良いこと
     ・法面作業が容易に出来ること
     ・その場旋回が可能なこと
     ・アンジュレーションへの追従性が良いこと
   などです。
  
    そして、共栄社独自の技術、蓄積したノウハウも加えて進行中です。
  
  さらに、色々なコースにてテスト試乗を行い、ラフロードテストを経て、
  製品化予定です。開発状況は随時お知らせします。
  乞うご期待!!
                (発売時期は平成19年春頃を目指しています)

                          株式会社 共栄社 開発部


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 それでは、今回はこれでおしまいです。
 次回をお楽しみに・・・


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