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バロネス Eメールマガジン Vol.3
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全国的にも今冬最低の寒気につつまれ、東海地区も58年振りの大雪に
見舞われました。
ゴルフ場管理も雪かきやクローズで、大変な事であるとお察し致します。
寒さもとても厳しいですが、元気を出して行きましょう!!
バロネスメルマガ第3弾をお送りします。
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★☆ 今回のメニュー ☆★
【1】キーパーのひとり言(吉良カントリークラブ 坂崎勝治 氏)
【2】トーナメント後記
・2005ABCチャンピオンシップ
(ABCゴルフ倶楽部 グリーンシステム株式会社 大竹悟 氏)
・2005三井住友VISA太平洋マスターズ
(太平洋クラブ御殿場コース 久保田一彦 氏)
【3】露払いローラーについて(太平洋クラブ御殿場コース 久保田一彦 氏)
【4】ニュージーランドレポート(共栄社 グレイアム 氏)
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【1】キーパーのひとり言
今回は、「吉良カントリークラブ 坂崎勝治氏」のひとり言です。
高麗グリーンからベントグリーンへの移行作業はほんとに大変です・・。
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---キーパーのひとり言---
新型ベントT−1へ
今春、高麗グリーンより新世代ベント「T−1」への移行作業を
行いました。国内ではまだ採用例も少なく試行錯誤の連続でありましたが
その採用経過と半年間の素直な感想を書かせて頂きます。
尚、採用後会員始め、プレーヤーの方々からもお褒めの言葉を頂き、
2グリーンの内、残りの高麗グリーンにも今秋「T−1」を播種した
ところです。皆様の何等かの参考になればと思います。
私が勤務する吉良CCは三河湾に近接しているとはいえ、盛夏期35度
以上の日が恒常化している事と、水の確保の問題がありグリーンのベント化
を躊躇してきた。
しかし、近年の近隣ゴルフ場の新世代ベントの採用もあり、当コースに
おいてもベントグリーンへの移行を検討しはじめたのが昨年の秋である。
早々、練習グリーンの一部に当コースに合うのではないかと思われる
「クレンショー・ドミネント」と「ペンクロス」を播種した。
又「L−93」、「G−2」等採用している近隣ゴルフ場への視察も
行うが、どのコースにおいても採用したグリーンが最高であるとの返事。
同種のコースが多いほど生育状況等知識の共有化を図る事ができますが、
自分が採用したグリーンに誇りを持つ事は、管理者としては当然であり
キーパーの悲しき性でもあります。
新世代ベントの場合、概してサッチが厚くなりやすい事や、ボールマーク
の回復が遅い事が懸念されたが、信頼のおける取引先である金星商会さん
から朗報。「L−93」の発売元であるジャックリンシード社で新しく
育種開発された「T−1」ならなんとかなるんじゃないかとの事。
但し、本当に新商品であり採用例はほとんど無い・・・・。
試験播種・視察等選定にもう少し時間をかけるはずであったが、オーナー
からのいつからベントになるんだとの天の声。
もう時間はない、しかも春播き!!?
早々支配人に相談、どうせやるなら一番新しい「T−1」に挑戦しよう
と力強い言葉。金星商会にも春播きであるが新しい商品であるので、
全面的に協力するとの承認も取り付け決定に至りました。
お陰様でペンクロスでのインターシードではないので、事前に高麗を
枯らしておき、4月25日、5月11・12日と2回に分け播種。
但しまだ、大事な問題があった。散水システムはあるが水の確保が
できていない!!2月から井戸掘りを始めたのだが・・・・。
今年は全国的に水不足が深刻化しており当コースでも例外ではない。
本当に間に合うのか心配したが6月になり井戸も完成!何とか乗り切る
事ができた。
バロネスの代理店、栄信機工さんの薦めで「MS400目砂撒布機」を
購入。盛夏期を除き10日に一度の割合で目砂撒きを実施。作業も早く
目砂量を簡単に調整できるのは大変助かった。
刈り込みはハイクリップモア(LM66GF)のおかげで、現在に至る
まで4.5mmの刈高で管理しているが、速さも通常時9フィート前後を
維持できている。低刈りを余儀なくされると思われる新ベントであるが、
4.5mmで維持できるのは「T−1」を採用した事も起因しているのか?
今後の検証は必要となるが・・・。
トーナメント志向のコースを除き、アベレージゴルファーを対象とした
一般コースの場合、「T−1」は選択肢の一つであると確信します。芽数
も順調に多くなり日増しに状態がよくなり6月、7月一回ずつ微生物資材
(スーパーコンパニオン)を使用するまでになりました。
プレーヤーからいつからベントを使用するのかとの声を聞かれるように
なるが、まだ盛夏が待ち構えている・・・。
出来ればまだ使用したくないが8月初め試験的に使用する。
今年度最高気温37度も乗り越え思った以上に耐暑性もありそうだ。
お盆も過ぎ8月後半より高麗とローテーションで使用を開始する事とした。
評判は上々であるがそこに新しい問題が発生・・・
予約時にベントでないとクレームが多発・・・・
最終的には高麗の日がどんどん減少する事になってしまった。
救いは「T−1」が依然と良い状態を保っており、オーナー・支配人とも
相談、残りの高麗にも9月末播種する事にした。
一年前のベント計画時では2面ともベントグリーンに移行するとは想像
もしなかった事が現実となった。これもオーナーのリーダーシップと
支配人の決断、スタッフの協力、金星さん栄信機工さん初め近隣ゴルフ場
キーパーのアドバイス、そして「グリーンモア」・「MS400」等管理
機械があっての事である。
越冬しやっと一年。管理に終わりは無い。今後も肥培管理・サッチ
コントロールと色々な問題があり、勉強勉強の連続でまだ悪戦苦闘は続く。
現在使用中のT-1 | 9月28日に播種したT-1(11月2日撮影) |
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9月末播種したT-1の9番グリーンより三河湾を望む |
吉良カントリークラブ 坂崎勝治
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【2】トーナメント後記
今回のトーナメント後記は、「2005ABCチャンピオンシップ」、
そして「2005三井住友VISA太平洋マスターズ」です。
コースセッティングなどご参考に・・・。
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---2005ABCチャンピオンシップ---
2005ABCチャンピオンシップゴルフトーナメントが兵庫県
ABCゴルフ倶楽部で10月24日から30日まで開催されました。生憎、
火曜と土曜に降雨があり絶好のコンディションとは言えなかったのが残念
です。4〜6月の記録的な少雨、9月の旱魃と天候に泣かされ続けた1年
でした。
今年の3月からコース管理体制を一新し、歴史あるトーナメントに初めて
参加させていただき感じたことは、いかにして人力・機械力を結集して
効率よくすべての作業を迅速、丁寧に進めるか、機械の精度をいかに統一し
高めるか、が重要になると言うことでした。
コースセッティングは
グリーン刈高 3.7mm(朝夕のダブルカット)
ティーグラウンド 8.0mm(3連GMで毎日夕刈り)
フェアウェイ 11.5mm(5連4台で毎日夕刈り)
ウォークパス、セミラフ 30.0mm
ちなみにメリハリをつけるためにセミラフは順目、
FW(ゼブラカット外周)は最後に逆目で刈り込みを実施。
初めての経験で右も左もわからないままでの作業になりましたが、関係
各所や他コースからの応援・協力業者の機械支援等があり、どうにか
こうにか開催にこぎつけ、最終日、最終組のNo.18ホール林根基の
ウォーターショット、片山晋呉のウイニングイーグルパットと大変な
盛り上がりを見せ、終えることができました。
ご協力いただきましたみなさまにこの場を借りて御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
ABCゴルフ倶楽部 グリーンシステム株式会社 大竹 悟
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---2005三井住友VISA太平洋マスターズを終えて---
1.はじめに
共栄社さんをはじめ、各関係会社の皆様にはご協力いただきまして、
ありがとうございました。おかげ様で、2005三井住友VISA太平洋
マスターズを、無事終えることができました。
この場をお借りしまして、厚く御礼申し上げます。
2.今年の仕上がりと要因・課題
私がグリーンキーパーになって3回目のトーナメントでしたが、3回の
中では今年が一番上手く仕上がりました。
要因をひとことで言うと、太平洋クラブのシニアスーパーインテンデント
日比野忠行の方針に従ってやってきた結果です。
その方針とは
@10年前からグリーンの芝種を、ペンクロスからペンA2にインター
シードをして替えてきた。
A3年前から、グリーンはコアリングして抜き取らずに、ムク刃タイン
でシャタリングを効かせたエアレーションのみ行ってきた。
B年を重ねるほどに良くなっていく資材を使ってきた。
C常に創意工夫をしてきた。
課題は、透水性とコンパクションです。
指定練習日前日の営業時で12フィート転がっていたので、そのまま
いけば12〜12.5フィートの転がりで、雨の心配も無く終えることが
出来たはずです。
しかし、毎朝グリーン刈りの後にローラー転圧したため、透水性の心配
が残りました。
コンパクションは24mm〜25mm(山中式硬度計)出たのですが、
欲を言えば春先のような芝の根張りによって作られるコンパクションが
理想です。
3.セッティング
@グリーン
指定練習日 2.8mmで朝・午後カット 13フィート
プロアマ〜土曜日 3.2mmで朝・午後カット 13.5フィート
日曜日(最終日) 3.2mmで朝カット 14フィート
Aティグラウンド 8mm
Bフェアウェイ 12mm
Cラフ 100mm
4.おわりに
今年の大会で一番嬉しかったのは、コース管理スタッフが作業中に選手
からコースの状態の良さを褒められて喜んでいたことです。
太平洋クラブ御殿場コース 久保田一彦
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【3】露払いローラーについて
2005年11月。関東展示会に出展した「露払いローラー」。
さてその誕生秘話とは・・・。
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---露払いローラーについて---
芝に朝露が乗ったまま、グリーンモアでグリーン刈りをすると、水滴が
邪魔をして思うように刈れませんでした。ひどいときには、露の水滴しか
集草バケットに入ってこないこともありました。
何度も刈り込んで仕上げるとトーナメントグリーンは、午後の乾いた
時に刈らないと仕上がりません。
昨年から、朝のグリーン刈りも乾いた状態で刈りたいと思い、露払いを
始めました。コードを引っ張ったり、集草バケットにマットを付けたり、
効率と効果を求めて試行錯誤を繰り返しました。
そして今年、太平洋クラブのシニアスーパーインテンデントである
日比野と、御殿場コースサブキーパーの千葉が、考えて完成させたのが
「露払いローラー」です。
この二人が発明者となって、太平洋クラブと共栄社が共同で特許申請を
し、商品化となりました。
○効率
集草バケットに取り付けて露払いを行うので、露を払うと同時に
グリーン刈りをすることができます。
○効果
露を払うローラーが2本付いているので、1本目のローラーで露と
一緒に寝た芝が2本目のローラーで起き上がり、効果も抜群です。
2005年の太平洋マスターズの仕上がりに、この露払いローラーの
効果は大きく貢献しました。
○使い勝手
使用しないときは、集草バケット上方に収納できるので、移動中に
破損したりする心配がありません。
これからも、この露払いローラーを使って、良いグリーン管理を目指し
ていきたいと思います。
太平洋クラブ御殿場コース 久保田一彦
関東展示会出展での関心の高さと大変困っているという事がうかがい知れ、
御意見・御要望を踏まえ改良を行いました。
改良後のテスト結果も良好で、2月発売予定です。
共栄社 開発部
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【4】ニュージーランドレポート
ニュージーランドのゴルフ場。やはり日本とはスケールが違うみたいです。
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---ゴルファーの夢の国、ニュージーランド---
ニュージーランドは農業分野における生物の多様性や、最近では
プロゴルフツアーでもその強さを示しています。ニュージーランドの
ゴルファー、マイケル・キャンプベルはアメリカとヨーロッパのツアーで
存在を世間に知らしめました。
ニュージーランドの最初のゴルフコースは南島の南部地域に1871年に
設立されました。1893年に最初のアマチュアチャンピオンシップが開催
され、それから3年後に初めて女子アマチュアチャンピオンシップが行われ
ました。30年も経ない間に15以上のコースが造られ、人々は
リラクゼーションや娯楽としてゴルフを楽しんでいたことが分かります。
ニュージーランドにはリンクススタイルから、パインコースまで、ありと
あらゆるコースがあります。私の好きなコースは「リマーカブルズゴルフ
コース」というサザンアルプス地域にあるコースです。
このコースはニュージーランドでもっとも壮大な景色を提供するコースの
ひとつであり、また腕のあるゴルファーでさえも自信をなくしてしまう
ような難しいコースでもあります。ラウンドが終われば、コースのカフェで
休んだり、観光やアドベンチャーアクティビティに出かけたりもできます。
ですから、もしあなたが熱心なゴルファーであるなら、行ってみなければ
ならない場所として、ニュージーランドをチェックするべきだと思います。
株式会社 共栄社 事業企画部
テクニカルコーディネーター グレイアム・シドニー・パリス
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それでは、本年度のメルマガはこれでおしまいです。
何分不慣れな編集のため、皆様にも十分伝わっているか疑問も残る思いです。
来年度も皆様に役立つ情報等を配信していきます。よろしくお願い致します。
また寒い日が続きますが、お体に気を付けて!!次回をお楽しみに!!
良いお年をお迎え下さい。
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