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今年2月24日、弊社にて開催された、ディーラーサポートセミナーの中で
南長野ゴルフ倶楽部・岡沢副支配人様に講演をしていただきました。
今回は、その内容を少しご紹介したいと思います。
1.まずグリーンモアのお話として南長野GCさんでのLM66G刈り込み試験のお話をされました。
昨年7月4日から50日間の南長野GCさんでのパッティンググリーンの
LM66GFハイクリップ・ロークリップ刈り込み試験概要のお話がありました。
実際にLM66GFのハイ・ローにて刈り込んだあと、プリズムでの断面比較写真説明や
表面クオリティと芝へのストレスについて、ハイクリップとロークリップの比較の
実作業での試験の説明をして頂きました。
2.グリーンキーパーからの視点のお話として
「安定した高品質のスポーツターフを提供することが
プレーヤー(お客様)への営業でありサービスである」
と考えますが、現在の経済状況ではさらなる低コスト管理が
必要となります。その為には人件費、肥料・改良材費、
農薬費、資材費、燃料・光熱費等の経費を削減しなければなりません。
しかし、全体的に削減すれば品質も低下してしまいます。
必要な部分には予算配分し、余分な部分は削る努力が必要と考えます。
その手法の一つとして、
高効率の機械の導入によって作業の時間短縮ができれば、
人件費の抑制につながります。
共栄社さんの機械で説明しますと
LM55GBのハイクリップ仕様を使って、4km/hで刈込。
グリーン一面(平均800u)を刈るのに、35分(移動時間込み)だったのが
LM66GFを購入して 4.8km/hで刈込をしたところ、
刈込時間が25分(移動時間込み)となり、一人で3面刈るので、total30分の短縮となり
その為、平日は一人で4面刈りができ、6人で行っていたグリーン刈りが 5人で可能となりました。
とのご意見をいただきました。
そして今後の予定として、弊社バンカーレーキSP05の購入予定を
していただいており、その理由として
移動時間が速いため
従来の機械で9ホールを2時間程かかっていたのが
SP05なら1時間30分程で可能になるのではないでしょうか。
というお話をされました。
→→SP05はこちら←←
そして「芝刈り機で高品質なグリーンを」として以下のお話をされました。
1990年代前半から「ニューベントグラス」が流行っています。
ペンクロスのグリーンにL-93を1997年から1999年の3年間で
5回インターシードを行い、DNA鑑定によると40%が変わりました。
ミックスでも優れたパッティングクオリティーを提供できます。
但し、発売当初は良い所だけが目立つが段々と欠点も判明し
次々と改良品種が市場に出てきています。
その高品質・高密度の芝を刈る為に「ハイクリップモア」が共栄社さんによって開発されました。
( LM56・66Gシリーズ )
早々に11枚刃のデモ機を1週間借りて試験をしました。
毎日同じグリーンを刈ったところ、芽数が増え、ニューベントグラスの様なグリーンになりました。
芝刈り機で高品質なグリーンが作れるなら
高価な種を買わなくても済むのではないか?とも考えました。
確かにニューベントグラスの方が高品質であるが
付加価値が上がる為若干高価となります。
現在は、刈込により「ペンクロスベントグラス」で
ニューベントグラスに匹敵するグリーンを作られているグリーンキーパーさんも大勢いらっしゃいます。
とのご意見でした。
3・ゴルフ場・販売店・メーカーの関係についての
以下のようなお互いの協力が必要とお話されました。
キーパーはプレーヤーの望むクオリティーを考えてコースを作ります。
その為に販売店さんにサービスや機械を要望します。
メーカーがそれを受け良い機械が生まれます。
小さな業界ですのでその様な協力体制が必要と考えます。
20年近く前のことですが、月に1回程度訪問し雑談程度で
取引のない販売店さんがいらっしゃいました。
機械が壊れた時に、次の日に代車を持ってきてくれて大変嬉しかったです。
その人は要望を出すと必ずメーカーに連絡を取り、出来る出来ないは別として
必ず宿題を持って帰って、返答をしてくれました。
本日お見えの皆さんもゴルフ場のキーパーとキャッチボールができる関係を
築いて頂きたいと思います。
もちろん要望するだけでなく、良い物ができれば購入するとかサービスをお願い
するとかの商売が大前提ではありますが・・・。
大変厳しい状況が続きますが3年先位には良くなるとの話もありますので
お互い協力して凌いで行きましよう。 と、我々機械メーカーにも、販売店にも為になる貴重なお話をいただきました。
以下、岡沢副支配人との質疑応答の内容です。
SP05で時間の短縮になるとの事ですが、どのような要因で?
短縮の要因としては、ならすバンカー数よりも、管理棟がもっともゴルフ場の外れにあり、
標高も935m〜1024mありますので、移動に時間がかかってしまいます。
その移動時間短縮が一番の要因だと思います。
又、SP05はオペレーター席に乗っていると、音が静かな事にも関心しています。
管理スタッフの人員は何名ですか?
昨年のコース管理課の人員は、コースのスタッフは私も含めて9名で、
その他にハウス営繕に男子1名女子2名おりました。
営繕の人間が休むと応援に行きますので、実質8名でした。
乗用グリーンモアは使わないのですか?
乗用グリーンモアは嫌いです!(笑い)
ハイクリップモアを使用すると芽数が増えるとの事ですがその要因は?
これはフェアウェイもグリーンも同じです。
たとえば植木でサツキやつつじも同様で、肥料を与えて元気にしてあげる
と上に伸びようとするのですが、頭をとめてやると横に伸びるんです。
そこに隙間があれば葉を出します。そういった事で芽数が増えます。
余談ですが、共栄社さんのアドバイスもありまして
LM66GFの刈込速度を4.8km/hから4.4km/h(ティーモアのギヤ)に落としました。
それは、グリーンモアの場合あまり速く刈ると、フロントが暴れやすいですし、機械に引っ張られたりと
影響がでやすいので、あまり速く刈るのは好ましくありません。
4.4km/hならよりクリップピッチが短くなり、しかもスピード差もあまり感じず効率も悪くありません。
L-93を選定された理由はなんでしたか?
当時選定した理由は、近所のゴルフ場がプロビデンスでクオリティーの
高いグリーンを作っていました。その為プロビデンスを導入しようかと検討
している時にL-93が発売されました。
日本で何故これだけペンクロスが活躍しているかと申しますと
寒い所も暑い所もいけるワイドレンジなのです。
暑い所に弱いとブラウンパッチが、寒い所に弱いとダラースポットが出やすいです。
ワイドレンジと言う事は比較的どんな所に持って行っても良いという事です。
病気に対してもある程度良い。それと40年以上も採用されていて管理方法が分ります。
L-93に関してはさらにワイドレンジです。
だから良いだろうと・・・。
それと当時、東洋グリーンさんが茨城県の勝田に圃場を持っておりました。
ソイルサンプラーで抜いた芝が並べて置いてあったのです。
それを見たら茎は一番まっすぐに生えていたのがL-93とサウスショアで
プロビデンスより良かったのです、それで、その時は選びました。
今はL-93はティーグランドやフェアウェイでも良いと聞きます。
以上のような貴重な講演をしていただきました。
講演を聞いた、弊社のスタッフ・販売店のスタッフも
今後の活動に、とてもよい刺激になったと思います。
弊社としてもお客様のための物づくりを一層実践していかなければ…
と感じるお話でした。
共栄社 営業部 蔵地
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