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5月21〜23日、中京ゴルフ倶楽部 石野コースにて、
「第28回 中京テレビ・ブリヂストン レディスオープン」 が開催されました。
私は、ゴルフ 「ど素人」 (方言で 「とても素人」 の意味)です。
しかし、今回、そんな私にこのトーナメント初日を見学する機会を与えて頂きました。
そこで、せっかく見学するなら!と思い、私でも 「わかること」 「感じられること」 を考えてみました。
そして、“プロ” プレイヤーのプレイと、“プロ” が管理したゴルフ場、
この “2つのプロ” を見て感じようと思い、トーナメントを見学しました。
トーナメント初日は、晴天に恵まれ、絶好のゴルフ日和でした。
まず、プロプレイヤーを初めて目の前にして思ったことは、
「テレビで見るより小さい。でもガッチリしている。」
やっぱり、プロは筋トレもしっかりやっているのかな(笑)。それにやっぱり女子プロはオシャレ?ですね。
名の知れた有名プレイヤーを人間ウオッチングしているだけでもプロの風貌を感じたのですが、
プレイはもちろんプロでした。
ティーショットの打球音、スイング音は迫力満点でした。
あの息をのむ静けさの中の緊張感は、見ている私にもひしひしと伝わってきました。
スポーツの醍醐味のひとつを思い出した気がします。
また、コースガイドに書かれている通りの場所にボールを落としていくのも流石です。
ギャラリーも安心してコースサイドで観戦できます。
もし、私がここでプレイしたら、ギャラリーはみんなヘルメット着用を義務付けなければいけないのになぁ・・・(笑)
と、プロの凄さに感心しました。
その一方で、プロのプレイを見ていると、私も簡単にできる気にさえなりました。
しかし、実際のコースはテレビで見るのとは全く違い、
特にテレビでは平面にしか見えないグリーンの起伏に驚きました。
簡単にできるなんて大きな勘違いですね。
では、コースを見て何を思ったか?と言えば、その前にまずゴルフ場の広さに驚きました。
私は自分の部屋を掃除するだけでも大変だと思うことがあるのに、
こんなに広大なゴルフ場を管理するグリーンキーパーさんたちは、本当にすごいですね。
そして、コースはとてもきれいに管理されていて、気持がよかったです。
同行してくれたゴルフ経験者の営業マンに
「コースの管理というものは、芝生だけでなく、コース内すべてを管理されている」 と教えてもらいました。
また、プロのトーナメントを開催するにあたっては、
そのコースならではの苦労や工夫があることも教えてもらいました。
実際にコースを見てまわっていると、大会のためのコースづくりには、隅々まで神経が使われており、
その手間の多さにとても驚きました。プロの職人魂が伝わってきました。
きれいに刈り込みされたコースを見ながら、「ここはどの機種で刈られているのかな?」
「刈高は何ミリなんだろう?」 なんて思ったりもしました。
また、このトーナメントは毎年、コンセプトを決められていることも聞きました。
今大会のコンセプトは何だったのでしょうか? この素晴らしいコースを見ると、とても気になったところです。
そして、トーナメントから1カ月後、
中京ゴルフ倶楽部 石野コースの山下グリーンキーパーにお話を伺う機会を与えて頂きました。
山下グリーンキーパーは、プロのトーナメントの舞台裏を、素人にもわかりやすく丁寧に、
本音で?語ってくださいました。
Q.今年もこの大会のために年間プランを立てて、コースを管理されたのですか?
A.もちろんです。やっぱり大会時期にコースコンディションをピークにもってくるようにしないといけないからね。
でも、今年は変な気候で大変でしたよ。計画表も真っ赤でしょ。
コースづくりは、まずグリーンやフェアウェイ、その後ラフ、そしてコース以外の場所という順番で
つくりあげていくんだよ。 トーナメントでは、たくさんのギャラリーもコースを歩きますからね。
Q.トーナメントのためにコースを変えられるところはあるのですか?
A.いいえ。あえて言えば刈高だけかな。
ファーストカット(セミラフ)もプレーヤーズパスも普段からつくって、トーナメント仕様にしてあるからね。
そこがうちの魅力なんだよ。
Q.今年、一番大変だったことは何ですか?
A.毎年、トーナメントに合わせて4月にバーチドレンで穴あけ作業をするんだけど、
今年はその穴が前日まで埋まらなかったんだよ。
8ミリで、15〜16センチで抜いたんだけど、トーナメントウィーク前半はまだ穴が見えてたから、
焼砂をトーナメント直前まで入れました。ホントに大変でしたよ。自然相手だから難しいですね。
Q.グリーンの刈高とコンパクションは教えてもらえますか?
A.刈高は 「3.8ミリ」、コンパクションは 「13」 です。
ボールの転がりは 「10.5フィート」 かな。
ちなみに、刈り込みはカメラ映りを考えて、ななめに刈り込みするんだよ。
Q.レディストーナメントの後、ジュニアの大会も行われたのですよね?
A.そうです。6月13〜18日に世界ジュニアの大会がありました。
刈高やコンディションは、レディスと全く同じですよ。
Q.今年のトーナメントコンセプトは何でしたか?
A.今年のコンセプトは、“ドラマを生む花道” です。「選手にとって最高の舞台を提供する」 って言う意味かな。
毎年、LPGAとの打合せでコンセプトの話があったんだけど、
今年はトーナメント担当ディレクターが代わった関係で、それがなかったんだよね。
だから、今年は今までとはちょっと違いがあるかもしれないけど、
コースを管理する側からの目線で考えたんだよ。
Q.他に何かあれば教えてください。
A.トーナメント中もバロネス製品は、大活躍でしたよ。
グリーンは 「LM66GF」、フェアウェイは 「LM526A」、セミラフは 「LM318」、
ラフは 「GM1500A・GM1600」 ってところかな。
芝刈り機の調整やメンテナンスは、しっかりやるようにしてるよ。
特にトーナメント中は、刈高も普段より低くなるからね。
山下グリーンキーパーは、今大会のために立てた計画表を見ながら、
舞台裏にあった苦労話を笑顔でしてくださいましたが、そのお話の中にも、
どんな状況であってもトーナメントは 「選手にとって最高の舞台を提供する」
という “プロ” 意識は、とても感じられました。
特に更新作業であけた穴が前日まで埋まらなかったことについて、「当日は全然わかりませんでしたよ。」
という私の答えにも、山下グリーンキーパーは 「それが仕事ですから!」 とあっさり。
まさに “プロ” を感じさせる一面でした。
また、常にお客様のためにベストを尽くされるコース管理のプロは、
ギャラリーや一般のお客様への配慮を絶対に忘れないということに感心しました。
そして、もうひとつプロのすごさを感じたことは、
管理機械の調整とメンテナンスにはかなり気を遣われているということです。
大会会場で配布されたパンフレットで山下グリーンキーパーは、芝刈り機の調整やメンテナンスを
「料理人には包丁」 と言うのと同じ感覚で捉えているとありましたが、まさにプロって感じですね。
中京ゴルフクラブ 石野コースさんには、バロネス製品を多くお使い頂いており、
芝刈り機メーカーとしては、機械を丁寧に扱って頂けることは大変ありがたく思いました。
第28回大会は、不動裕理が13アンダーで、1年7カ月ぶりに優勝しました。
私はもちろん、2・3日目もテレビ観戦しました。が、やっぱり実際に見るほどの臨場感はありませんでした。
今回、初めてプロのトーナメントを見学させて頂きましたが、
私は “2つのプロ” に感心させられるばかりでした。
いいか?わるいか?実際にプロのプレイを見て、私もゴルフをやってみたくなりました。
また、山下グリーンキーパーのお話を伺い、プロが手間ひまかけて日常管理されているコースを、
トーナメントを見学しながらまわるのではなく、コースそのものだけを見て歩いてみたいと思いました。
もちろん機会があれば、是非またトーナメントを見学してみたいですね。
(株式会社 共栄社 CS推進部 及部) |