題

 
 こんにちは! バロネスEメールマガジン編集部松田です。

先日、弊社主催の展示会のスタッフとして

四国へ行ってきました。

ですが、残念ながら一番の楽しみであった讃岐うどんを

食べ損ねてしまいました。とても残念です。

なので、地元に帰ってチェーン店のセルフうどんを食べて我慢しました。

次に行く時には、必ず食べてこようと思います。仕事も、もちろんがんばります。

独り言はこのあたりにして

今回は

九州の芥屋ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 廣川和幸様の

『2011年のトーナメントを振り返って 第2回』と

株式会社クラシック 大江康彦様による『今夏のグリーンの状態について』

そして、岐阜本巣カントリークラブ グリーンキーパー 藤原竜彦様による

『バミューダグラスを活用したグリーン管理実況レポートC』

などをお送りいたします。

それでは、よろしくお願いいたします。

ばろこちゃん


☆ 今回のメニュー ☆

 【1】 2011年のトーナメントを振り返って 第2回
                         (芥屋ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 廣川和幸様)

 【2】 今夏のグリーンの状態について
                                     (株式会社クラシック 大江康彦様)

 【3】 バミューダグラスを活用したグリーン管理実況レポートC
                                     (株式会社 共栄社 営業部 蔵地)

 【4】 2002年FIFAワールドカップTMの決勝会場『日産スタジアム』を潜入レポート!第3回
                                     (株式会社 共栄社 営業部 廣田)


【1】 2011年のトーナメントを振り返って 第2回

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前号に引き続き

芥屋ゴルフ倶楽部のグリーンキーパー 廣川和幸様による

『VanaH KBC Augusta GolfTournament2011』

のトーナメント終了までのドキュメントをお送りいたします。

今回は大会7日前〜決勝当日までのレポートです。

それでは貴重なレポートをお読みください。

コース

    

    大会名 『VanaH KBC Augusta GolfTournament2011』

    開催日 平成23年8月25日〜28日

    会場  福岡県糸島市志摩芥屋1-1 芥屋ゴルフ倶楽部

    

    8月18日・大会7日前

    グリーンの刈高を3.6ミリにする


    8月19日・大会6日前

    グリーンローラーを掛ける

    大会時には2台のローラー掛けを予定しているが

    担当者の経験が浅く練習も兼ねて行なう。

    樹花木の剪定

    松をはじめ、コース内のティーグランド周囲やクラブハウス周辺の樹木を剪定する。

    作業は外注で行なう。


    8月20日・大会5日前

    ティーインググランド前ラフの刈込み

    ティーインググランド前からフェアウェイまでのラフを

    40ミリ位で短く刈り揃える。

    グリーンに藻の防除剤とフェアリーリングの防除剤を撒く

    3〜4面に藻が発生し、リングも目立つので薬剤を撒いた。

    グリーンの刈込み機械をハイクリップモアに変える

    グリーンは26吋の旧型モアで刈っていたが

    大会にはハイクリップモアを使用するので、機械に慣れる為にも今日から使い始める。

    刈高は3.4ミリ。


    8月21日・大会4日前

    コース内の備品の撤収

    散水ホースをはじめ、カート規制のローピング等をすべて取り除き

    来週からの大会に備える。


    8月22日・大会3日前

    練習ラウンド開始

    いよいよトーナメントウィークに突入、選手が本番設定のコースで練習を開始する。

    明るくなると同時にグリーンの刈込みに入る。

    今日から刈高は3.2ミリのダブルカット、ローラーを掛ける。

    この日からタ方も手押しモアで刈る。

    シングルカットで一人4面を刈る。選手からどんな声が聞こえてくるのであろうか不安と期待で落着かない。

    今日は昼間35ミリ程の雨が降り、バンカーの砂が流れてしまった。

    雨が止んだら修復作業をする。出だしから大変だ。

    5連ギャング油漏れ発生    (※他メーカー製です)

    13番ホールのフェアウェイ入りロからセカンド地点まで

    油圧ホースが破裂し、多量のオイルが噴出。即、中和剤を散布し水洗い。

    その後の降雨も良かったのか、殆ど芝が変色する事も無かった。

    急遽代わりのモアを手配しなければならず、快く協力して頂いた他コースに感謝いたします。

    17番のガードバンカーの縁が雨で浸食、陥没


    8月23日・大会2日前

    ヤード標示杭撤去

    グリーンまでの残り距離は直径65ミリの擬木を立てて標示しているが

    それをすべて取り除き、一旦管理棟に保管する。

    17番ガードバンカー陥没箇所修復

    うまく修復出来たと思ったが、修理地となる。


    8月24日・大会1日前

    降雨・雷で中断

    日中に降雨・雷で競技も練習も中断。その後プロアマ競技はハーフで終了、練習も2組程出来ただけだった。

    また、午後の作業ではフェアウェイ刈りなどは出来なかった。

    競技委員会開催

    クラブハウスで関係者のミーティングがある。

    グリーンのコンディション等が記載された資料を渡され、期間中のメンテナンススケジュールなどをチェックする。

    明日からの本競技に備えるための最終打ち合わせである。

    ちなみに今朝のグリーンコンディションは、転がり9フィート・コンパクションは22であった。

    目標の10フィートに届かず、明日はもう少し速くなるだろうか。

    速くなることを臨む雰囲気が漂う。

    バンカー流出砂の修復

    雨が止んでからコース管理総員で流れた砂を戻す。


    8月25日・大会1日目

    予選ラウンド1日目

    久々に太陽が見られ予定の作業がすべて出来た。ホッとする。

    本日のグリーンは朝、非公式ではあるが念願の10フィートを記録した。

    ちょっと自分でもびっくりした。

    ここ数日、日照が無く芝が柔らかくなったのが原因であろうか。

    何れにしろこの時期に10フィートは嬉しい。日没まで作業は続く。


    8月26日・大会2日目

    予選ラウンド2日目

    朝のグリーンの刈高を、連日の雨のため面が柔らかくなったので

    0.2ミリほど上げ、ストレス回避でローラーも省いた。

    雨は殆ど無かったが雷で2度にわたる中断があり、日没となり6組がホールアウト出来なかった。

    午後の作業はティー刈りが一部出来たが、他は全部中止となる。

    その間に明日に向けてのメンテナンスの打ち合わせをディレクターや競技委員長と行なう。

    明日は前日残った組を午前6時半より一斉にプレイ再開させる。

    対象となるホールはアウトイン合計で7ホール

    その前にグリーンの芝刈りとバンカー均しは、必ず終わらせなければならない。

    それをコースのスタッフに納得いくまで説明し

    何度も頭の中でシミュレーションを繰り返し、全員の動きを決めた。


コース

    8月27日・大会3日目

    決勝ラウンド1日目

    夜明けと共に作業開始。

    グリーンの刈込み10名、ティーの刈込み2名、バンカー均し10名、カップ切替2名。

    前日の残りの競技が6時30分より始まる。それまでにグリーン・ティー・バンカーを整備しなければならない。

    時間に余裕がない。

    作業は刻々と進められて行き6時15分には準備が終了し、競技が予定通り6時30分より始まった。

    それが終わり次第、決勝ラウンドに向けて準備が始まる。

    グリーン刈り、ティー刈り、バンカー均し、カップの切替を最初から行なう。

    今度は時間に少しの余裕はあるが気を抜けない。

    全員のテキパキした動きによって今日の作業は無事終了した。


    8月28日・大会最終日

    決勝ラウンド2日目

    朝6時の開門と共にギャラリーが押し寄せる。天気も良い。

    グリーンの刈込みをしている時にも大勢のギャラリーがコースを抜けていく。

    中には作業を興味深そうに立ち止まって見ている人もいる。

    こんな光景をもう何年となく見てきた。

    最終日は特に一つ一つの作業が終わるたびに気持ちが楽になって行く。

    朝の作業は順調に進んで行く。グリーンは3.2ミリのダブルカット。

    その後ローラー掛け、そしてカップ切替、バンカーはすべて手均し。

    あと30分もすれば作業がすべてが終わりそうな時

    ローラーが最後の1ホールを残し動かなくなった。

    修理がすぐ出来そうな状態ではない。急いで代わりのローラーを準備し現場へと向かう。

    この時すでに競技は始まっており、現場に行くには大勢のギャラリーを掻き分けながら

    ゆっくりゆっくり移動して行かなければならず、大変だった。

    何とか作業は間に合い胸を撫で下ろした。

    競技の方も盛り上がり、優勝争いも2打差以内で最終ホールまで、もつれ込んだ。

    プレイオフの準備をするように、トランシーバーから聞こえてくる。

    プレイオフは18番ホールを使い、決着が付くまで繰り返す。

    私は過去に1度経験した。

    コース管理から2名の要員をグリーンサイドに待機させゲームの行方を見守る。

    プレイオフは回避された。優勝スコアーは22アンダーだった。

    午後2時15分頃、予定通り競技はすべて終了し

    しばらくしてディレクターや競技委員長、その他色んな方々と挨拶を交す


    「お疲れ様でした。」


    コースでは明日の営業に備えてヤード標示杭やティーマークなどを元に戻す作業や

    ギャラリーが残していった塵などを片付ける作業をしている。

    これらの作業が終わってしまうと、やっと大会が終わったなという実感が湧いてくる。



    (大会が終わって)

    弊社ではオーガスタに向かって

    『オーガスタまでにはやるんだ』

    を、目標に社員全員が一年間頑張っております。

    特にコース管理にとっては年の始まりであり、終わりでもあります。

    やっと終わったと思ったら、もう来年に向かって動き出しております。

    梅雨が終わり気温が急上昇してくると、大会を強く意識してくるようになります。

    30度を超えるような暑さの中、バンカーの縁切り作業は

    過酷で毎年体調を悪くする者も少なくありません。

    しかし、それを乗り越えられるエネルギーは、辛さの向こうに待っている達成感や満足感があるからです。

    ギャラリーのみなさんの「綺麗なコースですねえ」

    選手の「良い仕上がりをしてますねえ」が聞きたくて日々頑張っています。

    毎年、奈良県から観戦に来られるファンの方がいらっしゃいます。

    大会中なのでゆっくりお話しする事は出来ませんが

    終わってメールで気持ちを伝えたりしてます。

    有り難いです。嬉しいです。

    こういった方々がいらっしゃる限り、これからも大会が続いて行く事を望みます。

    大会を応援してくださる方、コースを愛してくださる方本当に有難うございます。

    来年も皆様に喜んでいただける大会になるよう努力いたします。

vanaH

    (芥屋ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 廣川和幸)

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【2】 今夏のグリーンの状態について

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    昨今の夏の猛暑で、全国のゴルフ場さんは苦労されていると思います。

    そこで今夏のグリーンの管理について、株式会社クラシックの大江様にレポートをお願いしました。

    それでは貴重なレポートをお読みください。

    

    今夏のグリーンの状態について

    昨年の猛暑と比べると今年は実際にどうなのか?

    関東エリアは7月上旬から35度を超える猛暑に見舞われ

    乾燥害・ピシウム病で苦労したゴルフ場もあると聞く。

    一方で、昨年の反省から、早めにグリーンの刈高を上げて(7月に入ったらすぐに)

    ストレス対策に取り組んだゴルフ場は、昨年のような被害から回避していると聞く。

    病害対策もピシウム剤を中心に炭素・ダラー・ブラウンパッチの羅病に対しても

    早期に対処剤を散布している。

    高温・多湿の条件でゴルフ場の来場者数を求められているコース(早朝・薄暮)では

    カップ周りの痛みが激しく、芝が薄くなった箇所に藻が発生しているのが観察された。

    グリーンの刈高は4oから5oの間で管理をしているコースが多く

    前ローラーをソリッドローラーにして、更にストレス回避に努めているコースもあった。

    刈込頻度は週5日または6日というコースが多く

    毎日の刈込は行わないコースが圧倒的であった。

    夏越えのポイントとして言われていたのが下の5つのポイントである。

      5つのポイント

    この作業、とくに更新作業を丁寧に行っているゴルフ場は比較的被害が少ないと聞いている。

    以下、幾つかの写真を掲載するので比較検討をしてもらいたい。

画像データ
画像データ

(株式会社クラシック 大江康彦)

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【3】 バミューダグラスを活用したグリーン管理実況レポートC

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昨年の猛暑もあり、夏季のグリーン維持の為に高麗グリーンの見直しや

バミューダグラスへの移行を検討されているコースも多いのではないでしょうか?

その流れに先駆け、バミューダグラス(ティフドワーフ)を採用し

昨年夏季もグリーンの状態が良いと評判になった岐阜本巣カントリークラブのグリーンキーパー・藤原竜彦様に

今年のグリーンの管理のデータ報告をお願いしました。

第4回目は、9月・10月の管理データとコースの画像です。

今回で最後のレポートとなります。

データ

       
バミューダグラス
ベントグラス
管理方法

    ご  紹  介

    岐阜本巣カントリークラブ 藤原 竜彦様

藤原キーパー

      <主な最近のご活動>

      ○ 2010ジャパンターフショー・イン名古屋

      パネルディスカッション

      「異常気象に立ち向かうグリーンの管理」のパネラーとしてベントグラス、刈高信仰への警笛を唱える

      ○ 2011年5月号ゴルフ場セミナーにて

      バミューダグラス(ティフドワーフ)の導入について 掲載 等

(株式会社 共栄社 営業部 蔵地)

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【4】 2002年FIFAワールドカップTMの決勝会場『日産スタジアム』を潜入レポート!第3回

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ロゴ

第3回 『日産スタジアム』のフィールドの大きさとフィールドのゼブラ模様(しましまの模様)のお話


・フィールドの大きさ

フィールドは、107メートル×72.6メートルです。

芝刈りの方向

・ゼブラ模様について

試合の時はゼブラ模様で綺麗なフィールドに仕上げます。

これは芝刈り作業者の熟練の技術です。

ゼブラ模様は芝生を芝刈り機で刈る時に出来ます。

上の図は、メインスタンド側からバックスタンド側への刈込みと

バックスタンド側からメインスタンド側への刈込みの繰り返しで出来たゼブラ模様です。

リール式の芝刈り機で芝生を刈る時には、芝生を進行方向に僅かに押し倒します。

白っぽく見えている芝生は向こう側に(芝生の目が順目と言う)

濃い緑に見えている芝生は、こちら側に(芝目が逆目と言う)僅かに傾いています。

これは芝生に反射する光の加減により、芝生が淡く(白っぽく)見えたり、濃く見えたりすることで

ゼブラ模様が見えるのです。

ゴールエリアとペナルティエリア地域のゼブラ模様の巾は5.5メートルにしてあります。

その他の地域はゼブラ模様の巾は6.0メートルにしてあります。

刈り巾が152センチのバロネス乗用3連リールモア「LM315F」では

同じ方向に4回刈り込んで1つの模様が出来ます。

ゼブラの模様を作る時は、まず最初にロープを張って、そのロープに沿って刈ります。

また、「LM315F」のフロントグルーマを使用することにより、ゼブラ模様がくっきり出来ます。

これは、フロントグルーマで芝生を一度垂直に立たせてから

芝生を刈り込むことによって僅かに芝生を押し倒すことが出来るからです。

フィールド

ゼブラ模様を作るのは、フィールドを綺麗に見せるだけではありません。他にも役割があります。

審判の判定の判断がしやすくなります。

たとえば

@ オフサイド(反則)が見やすくなります。

A ファール時にフリーキック地点から相手選手を9.15メートル(10ヤード)離す

ときの目安になります。(ゼブラ模様がない場合は審判が歩測する必要があります。)

また、白線の巾は12センチです。これはゴールポストと同じ巾になっています。

フィールドのゼブラ模様は、景観を演出するだけではなく、ゲームの進行にも大きく役立っているのです。

こうした『日産スタジアム』の素晴らしいフィールド作りは

「プレーヤーが試合を行うため」のクオリティと「観客が試合を楽しむため」のクオリティのためであります。

今回で、『日産スタジアム』のレポートは最後になります。

このレポートで、皆さんがテレビでサッカーの試合を観戦される時に

今まで以上に楽しんでいただけるようになってもらえたら、うれしく思います。

もちろん、一番の楽しみ方は『日産スタジアム』へ行かれて

実際に生で試合を観戦していただくことだと思います…。

→日産スタジアムのホームページはこちらから←

→バロネス・フィールドモアのご紹介はこちらから←

(株式会社 共栄社 営業部 廣田)

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それでは、今回はこれでおしまいです。
次回をお楽しみに・・・(^−^)2011.12発行

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