メカニックの機械を愛する心と題し、第一弾は「エンジンオイル」についてお届け
します。
それでは早速、やる気MAXのメカニックが「エンジンオイルの交換」の基本を
笑顔で…と、その前に、今さら聞けない!基礎知識。
「エンジンオイル」のことをチョットだけ聞いてみました。
先生!エンジンオイルについて知っておいた方がいいことを教えてください。
【役割】
エンジンオイルは、エンジンが故障しないように保護する重要なモノ。
では、どのような仕事をしているのだろうか?知っておいてもらいたい。
潤滑:金属同士の摩擦を減らすための作用。
密封:圧縮ガスや爆発ガスが漏れないように、ピストン・シリンダーの隙間を埋め
る。
冷却:燃焼や摩擦によって発生する熱を吸収し、外部にその熱を放出させる。
洗浄:エンジン内部に生じるカーボンやスラッジなどの汚れを洗い落とす。
防錆:水分や空気など錆を生む原因になる成分を金属面に触れさせないように
する。
エンジンオイルは、オイルが劣化することでこの役割を果たせなくなってしまう。
そのため、オイルは定期的に交換しなければならない。
【規格とグレード】
エンジンオイルには種類やグレードが存在する。
エンジンのタイプによって種類が分かれ、その中でも更にグレードが分かれてい
る。それらは規格と呼ばれるもので分類され、それぞれのエンジンに適合した
エンジンオイルの規格というものが指定されている。
これは元々、アメリカ石油協会が定めた「API規格」があり、ガソリンエンジン
は“S”から始まる規格で、ディーゼルエンジンは“C”から始まる規格で分類されて
いる。
新しく良いグレードになるにつれて続く文字がABCDE…と順に発行されている。
ガソリンエンジン用
ディーゼルエンジン用
しかし、ディーゼルエンジン用に関しては、現在“D”から始まる日本独自の規格、
「JASO規格」が使用されはじめている。
ディーゼルエンジン用
2ストロークエンジン用
エンジンオイルは、指定された規格・グレードのオイルを使用してもらいたい。
【粘度】
エンジンオイルには粘度がある。
これは、アメリカの規格で定められたSAE規格で、オイルの硬さを示す。
「#30」「30番」など、数字のみで表示されたものをシングルグレードオイル、
「5W‐30」といったように2つの数字の組み合わせで表されたものがマルチグレー
ドオイルと呼ばれる。マルチグレードオイル表示のWはウィンター(冬)、左の数
字は温度が低いときの硬さ、右の数字は温度が高いときの硬さを示す。
シングルグレードの数字は温度が高いときのみの表示である。
特長として、マルチグレードオイルは幅広い外気温に対応しており、ほぼ通年を通
して同じ粘度のオイルを使用できるというメリットがある。
それ故に近年ではマルチグレードが主流となり、シングルグレードオイルはほとん
ど見かけなくなった。
エンジンの性能や使用する環境によって最適な粘度が違うことを覚えておいてもら
いたい。
つまり、エンジンオイルはエンジンの性能を維持するためのモノであり、時間や
使用と共に劣化するため定期的な交換が必要なのである。
これでエンジンオイルのことがわかったら、あとはやる気の問題。
やる気MAXのメカニックに「エンジンオイルの交換」のポイントを教えてもらい
ましょう。
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